なぜ、ホークスなのか──あぶさんと、にゃんこと、野球少年の記憶

私は、野球少年でした。

田舎で育ち、将来の夢は「プロ野球選手」。当時のテレビ中継といえば、田舎あるあるで巨人戦ばかり。自然と巨人ファンになっていました。

同じ時代、週刊少年誌も黄金期。ジャンプ、マガジン、サンデー、そして『ドカベン』が連載されていたチャンピオン。

野球マンガの王道を歩んでいた私は、ある日、水島新司先生の『あぶさん』に出会いました。

大阪球場には閑古鳥が鳴き、Bクラスの常連だった南海ホークス。

そんな実在のチームを舞台に、破天荒な主人公「あぶさん」=景浦安武と、個性あふれるホークスの面々が繰り広げるストーリーに、私はみるみる引き込まれていきました。

そして、完全にホークスファンになった決定打──

それは、母校の先輩、「にゃんこ」こと藤本修二投手の南海入団です。

同じ場所で野球をしていた人がホークスのユニフォームを着る。その瞬間、私の心はもうホークスとともにありました。

当時の情報源といえば、「プロ野球ニュース」。佐々木信也さんの軽妙な語りで試合結果を知り、「今日のホームラン」を観るのが、就寝前の最高の楽しみでした。

そんな私が、ホークスとともに歩んできた道のりを、少しずつ綴っていこうと思います。

あぶさんのバットの音、にゃんこの投球フォーム、そしてドームに響く歓声──

記憶の中のホークスと、今のホークス。

両方を愛しているからこそ書ける言葉を、これから届けていきたいと思っています。

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